先週の12日午後3時30分頃、東京都心のいたるところで停電が発生、最大で約37万軒にも達したそうです。原因は、埼玉県内の東京電力の施設で発生した火災だとされています。
私の職場では停電しなかったので、あまり実感がなかったのですが、一部ではエレベータに閉じ込められたり、手術中の病院があったりと、かなり混乱したようです。
さて、停電があった翌日会社に行くと、文京区内のあるお客様から「停電後インターネットがつながらない」との連絡が入りました。停電が発生すると、回線終端装置(ONU)やルータ、ハブの電源が落ちますが停電が回復すれば再度使えるようになるのが普通です。 なので、なんでつながらないんだろう? ひょっとして停電したきっかけで、何らかの機器(ルータ等)が故障してしまったか?
早速お客様の所へ行ってみました。 向かっている間にたぶん「あの機器」が停電後、電源が回復しても再び正常に働いてないのではないか? 「あの機器」は他の業者が設置したものなので、細かい仕様は分かりません。想像です。
訪問してみると、やはり想像していたとおり「あの機器」の電源が落ちています。「あの機器」とは”UTM”だったのです。UTM(Unified Threat Management)は、統合脅威管理を行う機器です。ネットワークに対する脅威を管理する機器が、自ら停電によってネットワークを止めてしまうなんて、ちょっと笑い話ですね!
そのUTMは、パソコンのようなハードウェアなので、停電が回復しても、再度電源を投入しないと立ちあがってこないタイプの製品でした。ふざけた製品だなーと思いながら帰社しましたが、戻ってから我社が販売しているUTMはどうなっているのか確認してみると、なんと同じように電源が落ちたら落ちっぱなしの製品でした。
ハードディスクを内蔵し、ほとんどパソコンのようなハードウェアなので電源が回復したら、自動で立ち上がるのは無理なのですね! そうなるとUTMには無停電電源装置(UPS)が必ず必要ってことになります。うーん、これはちょっとした盲点でした。UPSを設置すると、定期的にバッテリーの交換をしなければいけない等管理が大変なのであまり設置したくないんですよね・・・・・。
話は変わって。今回の停電は、高圧送電線が35年前の敷設以降、目視点検等は行われていたものの一度も交換されていなかった。このケーブルが漏電して発火したもので、東京電力の管理の在り方が問われています。
中央高速道路のトンネルにおける天井崩落事故やJR北海道の保線作業不正による脱線事故、JR各社の車両における故障率の上昇などなど、メンテナンスがきちんと行われていないことによるものがほんとうに多いです。それらは、コスト削減という旗印のもと、無駄を省くという名目で削られてきたものばかり、まるでどっかの事業仕訳のようです(笑)。きちんとメンテナンスにお金をかけないと、最終的には尊い人命が犠牲になるということを社会全体が認識する必要がありますね。
安全はタダでは買えない、ということを肝に命じるべきでしょう。
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