秋たけなわの今日この頃、セイタカアワダチソウが満開?ですね。我が家の周りもこればっかりです。
濃い黄色の花で、見た感じあまり好きになれないのは、何故でしょう? それはセイタカアワダチソウは別名ブタクサで、花粉症をもたらす植物だと思われているからです。私も今の今までそう思っていました。春の杉花粉に秋のブタクサ、これが花粉症の2大原因だと言われています、実際そのようです。ですが、ここで大きな勘違いが??
「セイタカアワダチソウ=ブタクサ」は誤り!!
どちらも北アメリカ原産で、日本に入ってきたのも同時期なので、完全に勘違いされているようです。セイタカアワダチソウは虫媒花(虫が受粉の手伝いをする花、花粉は空気中に放出されない)なので、花粉症の原因にはならないのだそうです。
一方、ブタクサは日本国内ではスギ、ヒノキに次ぐ患者数が存在するとされていて代表的アレルゲンです。原産地の北米でも1割強の人がブタクサ花粉症だそうです。ブタクサはスギやヒノキと同様風媒花(風によって受粉をする)なので空気中に大量に花粉を放出します。憎っくきブタクサですが、セイタカアワダチソウよりも白っぽい花なのです。
この花、家の周りでは見た事ありません! なーんだ、今までブタクサだと思っていたのはみーんなセイタカアワダチ草だったんですね! でも、花粉症のアレルゲンじゃないからといって安心してもいられないのです。
セイタカアワダチ草は繁殖力が非常に強く、根からは植物の発芽・成長を阻害する物質を放出するので、周囲の他の植物を攻撃するのです。なのでそれまでの在来種が駆逐されてしまうのです。植物だけでなくミミズやモグラなどの土地を豊かにしてくれる動物や昆虫たちまでも駆逐してしまうというから恐ろしいです。
しかし、繁殖しすぎると地表の養分を全部吸い取ってしまい、また根から放出する物質に自分もやられて衰退してしまうそうです。
セイタカアワダチ草が衰退すると劣悪な環境でも繁殖できるススキが繁殖し、セイタカアワダチ草が枯らした土地にふたたび栄養素を与え、毒素を消化し分解します。なので、セイタカアワダチ草とススキが交互に繁殖・衰退を繰り返すのです。北米ではススキが危険外来種だというから驚きです。
昔、十朱幸代さんが「セイタカアワダチ草」という歌を歌っていたのを覚えていますか? 流行った当時は花粉症があまり話題になっていなかったのですが、ブタクサの花粉はアレルゲンで、セイタカアワダチ草=ブタクサ だと思われるようになってからは、なんていう歌を歌っていたんだろうと思っていました。歌詞の内容は、沖縄駐屯のアメリカ兵に恋してしまった女性が、アメリカも遠いけど沖縄も遠いと嘆いているというものです。そこで北米原産で、背の高いセイタカアワダチ草とアメリカ兵をだぶらせて歌っているのですね。
そんな、歌にも登場するセイタカアワダチ草、ブタクサ程悪い奴じゃなかったんですね!安心しました。