九十九里浜は房総半島の東、太平洋に面する全長約66Kmの海岸で、見渡す限り白い砂浜が続きます。日本の白砂青松100・渚百選にも選定されています。
海岸線には9の市町村があります、北から順に旭市、匝瑳市、横芝光町、山武市、九十九里町、大網白里市、白子町、長生村、一宮町です。5つの河川が海に注ぎ込んでいます、これも北から順に栗山川、木戸川、作田川、南白亀川、一宮川です。
江戸時代には漁業が栄え、主に地引網によるいわし漁が行われていました。漁港が無いため次第に衰退しました。九十九里浜中央部、作田川河口に唯一の漁港である片貝漁港があります。この漁港は九十九里浜漁民念願の港なのですが、この港を作るために構築された防波堤が九十九里浜の海流を変えたと云われています。皮肉な結果となってしまいました。
九十九里浜の後方に広がるのが堆積物が堆積してできた九十九里平野と呼ばれる平地です。最高でも海抜10m以下の低地が続きます。なので、基本的に九十九里浜は、沿岸からは見えない(海岸に行かないと)のです。海の背後に山か丘陵でもあれば、海を眺めることができるのですが・・・・。基本的に九十九里浜では海を望むビューポイントはあまり期待できないってことになります。
通称「波乗り道路」とも呼ばれる九十九里有料道路が海岸線に沿って約17km続きます。この道路からのビューは最高ですが、運転中の脇見は厳禁です。ただ、この九十九里有料道路は九十九里沿岸の海岸津波対策ということで、かさ上げ工事中です。平成28年3月31日まで全面通行止めになっています。昨年は夏の観光シーズンに無料開放され、訪れる人たちに喜ばれましたが、今年は観光シーズンも含めて通行止めなので、観光業にとっては痛いです。
「波乗り道路」からのビュー以外は良好なビューポイントが無い(海岸近所のホテルやリゾートマンションの高層階以外)のですが、例外が2つあります。九十九里浜の北と南の端っこにあります。
北の端っこにある刑部岬にある屏風ヶ浦の西端の断崖絶壁に立つ展望館からは、眼下に飯岡漁港が広がり、その向こうに九十九里浜の湾曲した長い海岸線を一望できます。ここは、「日本の夕陽・朝日百選」「日本夜景遺産」等に認定されているので眺めは保証付きです。
もう一か所、それは私のお気に入りでもあるのですが、「波乗り道路」の一宮終点を過ぎて国道30号線(九十九里ビーチライン)を南下すると、お洒落なレストランやサーフショップが現れます、さらに南へ進み東浪見海水浴場あたりになると道路から海が見えるようになります。このあたりは標高が結構高いようです。国道128号線と合流して暫く行くとちょうど九十九里浜の南端に位置するところに「ガスト上総一宮店」があります。迷わず駐車場に車をいれましょう。この駐車場から北側に湾曲した九十九里浜が見えます。天気の良い日には屏風ヶ浦まで見ることができます。ガストの窓が海側に開いていれば食事をしながら海が見えるのに・・・ とっても残念な店の配置です。どうしても海を眺めながら食事がしたいなら、隣のレストラン「波音(Namioto)」がお勧めです。