狭い日本なのに、地域によって言葉が違う(方言)ってやつがありますね。当然九十九里浜一帯にも相当に癖のある方言があります。
房総半島南部で主に話されている房州弁が基本なんでしょうが、それよりちょっと北になるのでそれともちょっと違うところもあります。
こちらに越してきたときは、地元の老人達の話は、なにを言っているさっぱり理解できなかったです。以前に書いたように、私はこちらに来る前に一時大阪の泉州に住んでいたことがありますが、そのときも地元の人達の言葉が理解できませんでした。そのあたりの言葉は基本的に漁師言葉なんですね。外房に越してきて気がついたのは、外房地域の言葉と泉州や和歌山の言葉が似ていることです。どちらも漁師言葉なんです。知らない人が聞いたら、どちらも喧嘩を売ってるとしか思えない言葉です。
その昔、紀伊半島の漁師が黒潮に乗って房総半島まで漁に来て、最初は漁の中継基地にしていたのが、徐々に移り住む人が増えていったという話を聴いたことがあります。それで納得です(違っているかも知れませんが)、房総半島の人間のルーツは紀伊半島にありだったんですね!だから言葉も似ている?ですね。
さて、こちらの言葉の特徴は語尾に「~べ」や「~ぺ」と付くのが特徴。「~だべ」ではなく「~だっぺ」である。これはどうも漁師言葉に共通しているもののようだ。
その他、「な」の発音が「あ」になってる!?
「なんだって?」⇒「あんだって?」
「何だよ?」⇒「あんだべ?」
「何だろうか(何やってんだろうか)」⇒「あんだろっか」
「何してるんだよ」⇒あにしてんだよ
あと、よく聞く言葉を挙げてみると
おいねぇ – (駄目、無理)
おいねこっだな (しょうがねーな)
あんとんねーよ (何ともないぜ)
おぅよ (いいよ)
~け (~か) (例)そうけ。→そうか。
だけんが(だけれども)
にし (二人称を意味する あなた)
にしら (にしの複数形、あなた達) – 。。
ほいで (それで)
おっぺす(押す)
九十九里浜では、漁に出るとき海岸から漁船を押し出す人を「おっぺし」という
あと、青あざのことを「青なじみ」って言うんですが、これは茨城県の方言らしいいのですが、千葉県の房総半島一帯でも使われているみたいです。我が家の子供たちも何の違和感も無く使ってました。というか、青あざという表現を知りませんでしたね。
これらはほんの一例です、地元の人と話をしていると、じつに多彩な言葉が出てきて楽しいです。東京からいくらも離れていないのに、ここまで違うんですね!
『追加』
私の住んでいるところだけかもしりませんが、納屋(なや)と高(たか)という呼び方があります。その昔、九十九里浜が成長している過程では、海岸に砂が堆積して浜が形成されますが、そのちょっと陸側は湿地だったので、人が住むことも耕作することもできません。海岸地帯の集落は、現在の海岸より1Kmほど内陸にありました。漁業に使う道具類を収める納屋を海岸近くに置き、人は海抜の高い内陸に住むという具合です。このことから、海岸に近い地域を納屋(なや)、人の住む集落の辺りを高(たか)と呼ぶようです。その名残りのひとつがバス停に「驚高(おどろきたか)」という名前として残っています。