蝉の一生

今年は梅雨明けが例年より少し遅くて7月28日ごろでした、梅雨明け宣言があった日の帰り道、いつも通る公園で蝉が鳴いているのに気がつきました。蝉も梅雨明けがわかるのかな~? などと思って聞いていました。

よく土を掘っていると蝉の幼虫が出てきますが、だからといって蝉は土の中に卵を産むわけではないんです。枯れ木に産卵管をさし込んで産卵するのです。関西地方で一般的なクマゼミは、光ファイバーケーブルに産卵管を刺すので、通信ができなくなる被害が多く。蝉が産卵しないケーブルを開発していると聞いたことがあります。
梅雨の時期に孵化を始め、未成熟な幼虫のまま土を目指して木を降ります。このときの大きさは肉眼では見えないくらい小さいサイズです。そして地面に到達したら土の中に潜ります。

土のなかでは、木の根から樹液を吸って成長します。土の中での期間は蝉の種類によって違いますが一般的なアブラ蝉の場合はだいたい6年です。最長17年も土の中に潜んでいる蝉もいます。地中に潜んでいる間にも数回(アブラゼミは4回)の脱皮をします。

土の中の幼虫時代が終わって、地上に出てきた幼虫は日没後に羽化するのです。明るいうちに羽化をするとアリに食べられてしまうからなんだとか。
夜羽化を終えた蝉は、すぐには飛べないので朝がくるまで待って、晴れて空を飛べるのです。
私は東京で生まれ育ったので、蝉といえばアブラゼミのことを指します。ツクツクボウシやヒグラシは数が少ない蝉でした。転勤で一時期大阪の泉佐野に住んだことがあるのですが、そこでは、それまでの蝉に対する考えが一変することになりました。当時の泉佐野では、アブラゼミは数が少ない貴重な蝉なので、アブラゼミを発見すると子供たちは「アブラや!アブラや!」と言って少し興奮状態になるのです。ではなにが一般的な蝉かというと、「クマゼミ」なのです。体長もアブラよりも大きく鳴き声も「ワッシワッシ」と大変大きく、大阪で最初に迎えた夏では、朝クマゼミの鳴き声で起こされたものです。
よく、蝉の成虫の寿命は1週間とかいいますが、実際は1ヶ月くらいはあるようです。でも6年も土のなかでじっと我慢していて、成虫で一ヶ月の命だなんて悲しいですね。でも1週間じゃないと知って少し安心しました。

ひとつ不思議に感じるのは、自然豊かな長生村よりも、勤務先の東京都墨田区のあたりの方が蝉の声をよく耳にします、つまり蝉が多く生きているようです。自然の豊かなところよりも、自然の少ない都会の方が、蝉には住み易いのでしょうか?
どうやら答えは、自然が豊かでないのが幸いしているようです。蝉の天敵であるカマキリや蜘蛛、大スズメバチなどの肉食昆虫がすくない、モグラも少ない、都会のカラスは蝉よりゴミの方が御馳走なので蝉を食べない。等々自然が豊かでないほうが蝉にとっては都合がいいようです。 都会の蝉にとっての一番の敵はアスファルトの照り返しなどによる高温なんじゃないでしょうか?
最近一生を終えた蝉をよく見るのは、高温の日が続いているから?かもしれませんね!


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投稿者: じやお

田舎暮らしを始めて25年、田舎暮らし最高!

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