今日は昨日の梅雨明け宣言から2日目、非常に暑く感じられました。昔から梅雨明け3日と言って梅雨が明けて3日間は猛烈に暑いとされています(そういう日を選んで梅雨明け宣言をするので当たり前と言えば当たり前の話ですが)。
帰りの通勤電車(総武線快速電車に乗っています)の市川駅でドアが開いたときになんか匂うなと感じまいた。続いて船橋駅でも匂うのです。そうです磯の匂いっていうんですか、海の匂いってやつです。そういえばつい最近都心でも匂ってました。東京湾を渡った南風が強いと結構内陸まで磯の香りがしますね。特に川沿いでは、海からの南風が河に沿って北上するためでしょう。
そこで、ふっと疑問が浮かんできました。何度も書いているように我が家は九十九里浜の傍ですが、そのような磯の匂いはしません。もちろん海岸までいけば「磯の香り」はします。「磯の香り」と「磯の匂い」。なんだか似てますが、磯の香りは良い香り、磯の匂いは嫌な香り、という認識です。そういえば若い時によく行った伊豆七島や、グアムやサイパンなどの周りはぐるーっとぜーんぶ海である島でも「磯の匂い」なるものを経験したことはありません。「磯の香り」がするだけです。
そういえば、数年前に仕事で訪れた浦安で、こう言われたのを思い出しました。「この辺りは海の水が汚いので嫌な匂いがする、それと潮の香りが混ざってとっても臭い、特に南風が強い日は最悪です」と。海の水が汚れてる→臭い→磯の匂い ということらしい。 そと海の九十九里浜は比較的海の水がきれい→臭くない→磯の香り ということになるのではないでしょうか。
それじゃ、磯の匂いの正体はなんでしょうか? 調べてみると原因はどうやら栄養塩にあるようです。栄養塩はプランクトンの発生に欠かせないもの。特に東京湾のような内海はこの栄養塩が多く、当然プランクトンも大量に発生するのです。プランクトンは寿命がくれば死んでいくわけですが、死ぬとアンモニアに似た化学構造のトリメチルアミンが発生するので嫌な匂いになるのです。
また、それだけではなく海藻はヨウ素化合物の分解物質の匂いを放ちます。南風が吹くと、東京湾の最奥の船橋沖にごみが集められるので、それらも異臭を放ちます。それらが一緒になってとってもいやな匂いにな、というのが原因のようです。やはり「海が汚いから磯の匂いになる」というのは本当のようです。
香水は、いろいろな香りの物質をブレンドしていって良い香りを作っているわけですが、どうやら磯の匂いは逆のようで、ブレンドされればされるほど嫌な匂いになっていくのですね。
日本の近海は海藻が特に多いので、日本人は古来より「のり」として食していたらしいです。そうやって「のり」を食べる習慣が長く続いたので、日本人はのりを分解する酵素を体内に持つんだそうです。世界でも例がないことのようです。それだけ海藻が多い日本の海は、世界でも独特な磯の香りがするのだそうです。
磯の香りと磯の匂いの違いのお話しでした。
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